離婚事件について Q4

Q.調停で子との面接交渉についての取り決めがなされたのですが、数年して、元妻が子に会わせてくれなくなりました。どうすればいいのでしょうか。

 

 A.

 当事者同士で連絡をとっても会わせてもらえない場合、次のような方法が考えられます。

(1)履行勧告  

 調停をした裁判所(家庭裁判所)に対して、履行勧告を求める申立をする方法です。  家庭裁判所は、相手に電話をかけるなどの調査をし、面接交渉に応じるべきだと考えるときは、面接交渉に協力するように相手方(元妻)に勧告をしてくれます(家事事件手続法289条)。  

 この履行勧告には法的な強制力はありませんが、通常は、家裁から勧告を受ければ従う人が多いので、効果はあります。

(2)間接強制  

 家庭裁判所に対して、例えば、「面接交渉に応じないときは、1回応じないことについて金5万円支払え」という命令をすることを申し立てる方法です。  

 自分のことではなくて子のことでもありますし、「会わせない」ということについて、お金を払わせるという方法の「強制」をしていいのか、という問題はあります。  

 これは本当に大きな問題で最高裁判所まで争われました。平成25年3月28日に出された最高裁判所の決定によれば、 

 「監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において、面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は、上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができると解するのが相当である。」 とのことで、一定の場合には間接強制ができる、という判断がなされています。  

 最高裁の決定を分かりやすく言えば、「『面接交渉をする』ことが漠然としか決まっていないようなときには『1回応じないと5万円』などという間接強制はできないけれども、面接交渉のやり方が具体的に決められていてそれに従いさえすればよいという状態になっているときに理由もなく拒否するならば間接強制も出来る」ということです。

 以上です。  

 子どもと親との交流の問題であり、親子の情愛を大切にするべき事柄です。本来は「会わせなければお金を払う」などということを絡ませたくないところです。  

 ですから、通常は、上記(1)の履行勧告を利用し、それでもどうしても仕方ない場合に限って(2)間接強制という方法も考えるということになるでしょう。