交通事故について Q4

Q.子どもが交通事故に遭いました。
  意識不明の重体となりましたが、治療の甲斐があって一命を取り留めました。
それでほっとしていたのですが、退院後、家に戻ってからしばらくして、子どもに後遺症があることが分かりました。
記憶力や集中力が低下したと思いますし、それから、感情コントロールも難しくなり、受診して医師に調べてもらったところ「高次脳機能障害」であると診断されました。医師の話では、交通事故の外傷がきっかけの障害である、とも言われています。これからの子どもの学校や仕事にも影響が出ると思います。
交通事故の賠償については、実は、退院後すぐに保険会社と示談しています。
今から、後遺症について、損害賠償請求できるのでしょうか?

A.

  御質問のように、脳が外傷を受けたあとの後遺症が、後になって分かるということが時々あります。
  示談をすれば通常それ以後は損害賠償請求できないのですが、この場合、一生に影響する高次脳機能障害による大きな損害について請求できないのは、あまりに酷です。
  最高裁の判例にも、「当時予想できなかつた不測の再手術や後遺症がその後発生した場合」には示談後でも請求できる、と判断したものがあります(最高裁43年3月15日)。
  示談当時、医師からも指摘されず、このような後遺症があると分からなかったのであれば、今からでも請求できると考えるべきです。
高次脳機能障害については、障害の程度をしっかり捉えることが大切です。見た目は軽く見えても、いざ生活(学校や職場を含めて)していく上では、そのままでは大変苦労をする例が多いです。
医療職(医師、作業療法士、心理士など)や福祉職とも十分なコミュニケーションを行って、本人さんの状態を的確に把握した上で、本人にとって必要な治療(又は、リハビリ、カウンセリング、職業支援等のサポート)等を受けていく必要がありますし、その状態をできるだけ詳しく把握した上で損害賠償請求も進めていく必要があります。
何から手をつけてよいか分からないという状態になることも多いのですが、損害賠償請求のことについては、できるだけ早期に一度弁護士の相談を受けて頂くのが良いと思います。相談して、その後の大まかな道筋だけでも把握しておくことができますし、後遺障害診断書を書いてもらうなどの重要なポイントについて継続的に相談できる態勢を作っておくと安心出来ると思います。