借金問題について Q1

Q.貸金業者から請求書が届きました。請求書を読むと、「残元金」のほかに、「通常利息」と「延滞利息」というものが請求されています。
 この「通常利息」と「延滞利息」って、いったい何ですか。

 

 A.

 「通常利息」と「延滞利息」、どちらも「利息」という言葉が入っていますが、両者はまったく異なるものです。

 まず、「通常利息」(単に、「利息」などと書いてある場合もあります)とは、借りたお金(元本)の使用の対価のことです。
 「(通常)利息」は、お金を貸した人(貸主)と借りた人(借主)との間の契約(利息契約)に基づき発生します(言い換えれば、利息契約をしなければ、無利息ということになります)。利息契約を締結した場合、借主は、貸主に対し、お金を貸してもらったことの対価として、元本に利息を付けて返すことになります。
 利率は、利息契約で取り決めていた場合には、それに従うことになります(契約書に「(通常)利率」などと書かれているものです)。ただし、いくら利息契約で取り決めたといっても、利息制限法1条の定める利率を超える部分(元本の額が10万円未満の場合は年率20%、元本の額が10万円以上100万円未満の場合は年率18%、元本の額が100万円以上の場合は年率15%、をそれぞれ超える部分)は、無効となります。
 また、利息契約で利率を取り決めていなかった場合は、法定利率によることになります。法定利率は、商行為によって生じた債務であれば年率6%、それ以外の場合は年率5%です。

 次に、「延滞利息」とは、債務不履行による損害賠償金のことで、いわゆる「遅延損害金」と同じものです。決められた期日に元本(分割払の場合には、元本の一部)を返さなかった場合、借主は、貸主に対してお金を返す債務(義務)の履行を怠ったことになります(債務不履行)。このとき、貸主は、借主に対し、借主の債務不履行によって生じた損害の賠償を請求することができます。
 では、約束の日にお金を返してもらえなかったことによる損害とは、いったいいくらでしょうか。じつは、この損害をいくらと考えるかについては、あらかじめ貸主と借主との間で取り決めておくことが可能であり(契約書に「延滞利率」などとして書かれているものです)、あらかじめ取り決めていた場合には、それに従うことになります。ただし、あらかじめ取り決めた利率といえども、利息制限法4条の定める利率を超える部分(元本の額が10万円未満の場合は年率29.2%、元本の額が10万円以上100万円未満の場合は年率26.28%、元本の額が100万円以上の場合は年率21.9%、をそれぞれ超える部分)は、無効となります。
 また、あらかじめ損害をいくらと考えるか取り決めていなかった場合には、法定利率によることになります。具体的には、先ほどと同じく、商行為によって生じた債務であれば年率6%、それ以外の場合は年率5%です。

 このように、「(通常)利息」と「延滞利息(遅延損害金)」とは、似て非なるものなのです。