その他のご質問 Q6

Q.私は、築25年のマンションの1階を借りて生活しています。
かなり古い建物で、ベランダの窓が壊れて、閉まらなくなってしまいました。
(1)大家さんに直してもらうことができるでしょうか。
(2)大家さんにお願いしても全く直してくれません。自分で業者に頼んで直してもらってもいいのでしょうか。その場合の費用は自分が負担しなければならないのでしょうか。

 

A.

(1)  賃貸人は、賃貸借契約に基づき、その契約の目的に従って賃借人に建物を使用収益させる義務があります。そのため、建物が破損した場合、賃貸人には、使用収益のために必要な修繕をする義務があります(民法606条1項)。
 本件の場合、居住用マンションですので、賃貸人である大家さんには、賃借人に一般的な生活をするのに適した状態の部屋を提供する義務があります。特に1階の部屋でベランダの窓が閉まらなければ、一般的な生活をするのに支障をきたすので、大家さんにはそれを修繕する義務があるということになります。
 したがって、大家さんにベランダの窓を直してくれるよう請求することができます。
 ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によって修繕の必要が生じた場合や、賃貸人が修繕義務を負わないような特約(有効であることが前提)があるような場合には、賃貸人に修繕するよう請求できないこともあり得ます。

(2)  大家さんに修繕義務があるにもかかわらず修繕してくれないこともあります。
 そのような場合には、賃借人の側で修繕して、費用を大家さんに請求することもできます。
 すなわち、本来賃貸人が負担すべき「必要費」を賃借人が支出した場合、賃借人は、賃貸人に対して、直ちにその費用を請求することができます(民法608条1項)。
 ここでいう「必要費」とは、賃借物を契約の目的に従って使用収益するのに適した状態にするために支出した費用のことをいいます。
 本件のような居住用のマンションで、ベランダの窓が閉まらなければ、日常生活に支障をきたすので、その修繕費用は「必要費」に当たるといえます。
 したがって、賃借人の側で修繕した際に支出した費用は、直ちに大家さんに請求できるということになります。
 とはいえ、賃借物件の場合、賃借人の側で修繕するよりは、賃貸人の責任で業者を手配してもらって修繕してもらった方がいいことは言うまでもありませんので、できるだけ大家さんに状況等を丁寧に説明して相談してみるのがいいでしょう。