スタッフのコラム

神戸先物・証券問題研究会~弁護士 村上英樹

 私が所属している弁護士の研究会の一つに

 神戸先物・証券問題研究会

http://www5f.biglobe.ne.jp/~sqkobe/index.html

があります。現在は、私が代表幹事を務めています。

 以前は、国内公設市場の商品先物取引を舞台とする、高齢者を中心とした消費者被害が多発し、私も裁判案件を多数担当しました。

 全国の多くの弁護士の裁判での奮闘、立法に向けた活動のおかげで、商品先物取引の消費者被害は激減しました。

 これは本当に素晴らしいことで、この研究会もこのことに貢献できたことは喜びです。

 一方、現在の課題は、平成20年リーマンショックのころの超円高のころに顕在化した金融デリバティブ問題です。

 平成17年ころから銀行・証券会社がそれまでになかった金融商品(仕組債、為替のゼロコストオプションなど)を販売しはじめ、それが見かけによらず危険なものであったことが、平成20年頃の円高時に明らかになってきて社会問題になったというものです。

 それから随分年数がたつので、上記時期の金融商品の問題に関する裁判の多くは終わったか、中~終盤を迎えつつありますが、最近になって相談に来られる例もあります。

 この研究会は、平成17年頃以降に出てきた新しいタイプの金融商品の本質、特に、顧客にとっての危険に関わる本質を明らかにし、トラブルの解決につなげるにはどうすれば良いかを研究している集まりです。全国各地に同じテーマの研究会があり、年2回全国研究会を開催しています。

 さて、最近はアベノミクスによる金融緩和策により円安状態でしたが、イギリスの国民投票結果(EU脱退)を受け100円を割る円高状態も出現しました。

 為替が大きく動いたとき、金融商品の中身によれば大きく損失が出る場合があるのですが、そういうときにトラブルが顕在化します。

 もちろん、金融商品について、それが適正なもので、業者が正しく説明し顧客が十分に理解して購入する分には問題ありません。

 しかし、トラブルになる場合の多くは損失が生じ顧客が納得していない場合ですが、その原因がどこにあるかが問題となります。

 業者が顧客の意向よりも危険なものを勧めた、必要な説明を怠った等の原因があれば、法的な責任が発生し得るということになります。

 願わくばそういうことがなければよいのですが、どうしても、業者に落ち度があると思われるトラブルも後を絶ちません。

 研究会に所属する私たちは、活動を通じて、金融商品取引についてルールが守られた社会になるように努力していきたいと考えています。

                            弁護士 村上英樹