スタッフのコラム

後見人は大変!(弁護士 村上英樹)

 私は何件か成年後見人の仕事をしていますが,それが大変,という話ではありません。

 例えば,お父さん・お母さんが認知症になったので,成年後見を申し立てた。

 息子が成年後見人になった。

 そうすると,家庭裁判所から指示をされて,慣れない「報告書」などを書いて提出しなければならない。

 これが大変!

という話をよくききます。

 私たち弁護士は法律を知っているし,成年後見人の業務も事務処理はいつもしているのと同じ種類のことをするだけなので,そんなに大変じゃありません。

 が,弁護士などの法律職ではない一般の方(親族)が後見人をやると,「思いのほか大変」なことに直面します。

 家庭裁判所,病院,役所から,

「あなたが後見人だから,これをしなければならない」

と言われたり,判断に迷うことも出てきます。

 こういうとき大切なことは,「後見人」だからといっても全部自分でしないといけないわけではないということです。

本人の病気・治療のこと    医師,病院

介護のこと          介護事業者

税金のこと          税理士

という風に,専門家を適切に利用すれば良い(本人のお金で利用すれば良い)のです。

 もちろん,法律が関係することは,弁護士に相談すれば良いのです。

 責任感の強い方が多いので,「後見人」になると何でも自分で背負い込もうとしてしまう人が多いのですが,難しいことは専門家の助けを借りればいい,と発想を変えるだけで楽になります。

 これからますます成年後見制度の利用が促進されることになりますが,この制度が,本人の権利を守るのに役立つように,また,後見人にも過度な負担とならないように,上手く運用されていくことが望まれます。

 私も,成年後見制度の在り方,よい運用の仕方を,神戸市・社協と弁護士,司法書士,社会福祉士,学者らでつくる「シルバー法律研究会」などで勉強しているところです。

 お年寄りになって判断能力が衰えても,その方が自分らしく(例えば,「嵐」大好きなおばあちゃんが,認知症になって施設に入っても日々「嵐」を応援したりしながら)生きていけるように手助けできる「成年後見制度」の運用になるよう,色んな場面で力を尽くしていきたいと思っています。

                          弁護士 村上英樹