スタッフのコラム

寛永通宝 (弁護士安藤秀昌)

今回は,私の地元,香川県観音寺市をご紹介します。

 

香川県は,近年は「うどん県」として有名になってきましたが,観音寺市はこの香川県の西端にあります。瀬戸内海に面した人口6万人余りの町で,うどんはもちろん,おいしい海の幸がたくさんあります。特に,「いりこ」(カタクチイワシの煮干し,お味噌汁等の出汁にも使われるもの)が全国的に有名です。

 

観音寺市には,瀬戸内海国立公園の一つである琴弾公園があります。琴弾公園には,瀬戸内海の遠浅の砂浜があり,その砂浜からわずか数十メートルのところに,「寛永通宝(かんえいつうほう)」という巨大な砂絵があります。

 

「寛永通宝」は江戸時代の通貨の一つですが,砂絵は,それを砂で立体的に作り上げたもので,この砂絵は,東西122メートル,南北90メートル,周囲345メートルの巨大な楕円形をしていますが,展望台のある山頂からは,斜めに見下ろす形になるので,ちょうど真ん丸に見えます。

 

時代劇「銭形平次」のオープニングソングなどにも使われていましたので,ご覧になったことがある方も多いと思います。

 

昼に見ると,青い空と水平線を背景に,砂絵を取り囲む緑の木々(根上がり松),自然の色彩の豊かさを感じながら,ゆったりとした時を感じることができます。

夕方には,水平線に沈んでいく夕日が演出する天然のライトアップが最高にきれいで,何百年前も今も変わらぬ景色がここにあると思うと,心穏やかになれます。

夜になると,今度は人工のライトアップがなされ,幻想的な空間に変わります。

 

瀬戸内海の砂浜からすぐのところにあるので,何の手入れもしなければ,海から吹く風や雨で,砂が流れてしまい,形を維持できない恐れがあります。

そこで,年に2回程,本格的なメンテナンスを行っています。「砂ざらえ」という作業で,市民と地元の中学生らが,人力で「寛永通宝」の文字と外周の溝に流れた砂をかき上げて,山の上の展望台からくっきりと見えるように,形を整える作業です。私も中学生の頃,この「砂ざらえ」に参加していました。

このような地道な作業で何百年も砂絵を守ってきたと考えると,感慨深く思えます。

 

                                      (弁護士安藤秀昌)