スタッフのコラム

「押し買い」規制へ法改正(弁護士 村上英樹)

 今年8月に、特定商取引法が一部改正されました。 

 改正内容は、「押し買い」被害への対応です。

 「押し売り」ならわかるけれど「押し買い」というのは? という方もいらっしゃるかもわかりません。

 
 特に一人暮らしの高齢者が狙われています。
 例えば、こんな被害です。
 突然、一人暮らしの高齢の母のところに「不要な着物を買い取る」という電話があり、来訪を承諾すると、若い男性が来た。
 そうすると、若い男性は、着物を買い取るだけでなく「貴金属の鑑定をしてあげる」などと言い出し、家にある貴金属類を見せろと母に執拗に求めてきた。
 怖かったので、母は持っていた指輪やネックレスなどを見せたところ、「1700円」などという金額で買い取ると言い、とても納得できるものではなかったが、怖くて断れず、買い取られてしまった。
 これが「押し買い」です。
 
 酷い話です。
 こういったトラブルが平成22年、23年にかけて急増してきたそうです。
 
 これに対する対策として、このたび特定商取引法が改正され、新たに「訪問購入」という取引類型を規定し、
 
・ 8日間のクーリングオフ期間を規定
 
・ 不招請勧誘(勧誘を要請していない人に勧誘すること)の禁止
 
などが法律で定められました。
 
 詳しくはhttp://www.caa.go.jp/trade/index.html#m05 消費者庁HPを参照してください。
 
 
 法律で対策がなされましたが、しかし実際の被害は、密室で起きます。一旦発生してしまった被害は、このあたらしい法律があるとしても、回復することは簡単ではありません。
 
 「不要な着物を買い取る」「貴金属を買い取る」等の勧誘は大変危険ですので、そのような勧誘に応じないようにするのが最も大切なことです。
 そして、相手が何者か分からない者を決して家(玄関口)にも入れないことが、被害予防の最も大切な部分です。
 
 特に、一人暮らしの高齢者の方、一人暮らしの高齢者の親族の方、ご注意下さい。
                                           (弁護士 村上英樹)