スタッフのコラム

家事事件のルールに変化有り~家事事件手続法(弁護士 村上英樹) 

 離婚調停などの家事事件について、法改正がありました。

 家事事件の手続をより利用しやすく現代社会に適合した内容にすることを目的として(旧)家事審判法が全面的に見直され、新しく「家事審判手続法」が制定され、平成25年1月1日から施行されています。

 もともとの家事調停(離婚調停)は、調停の進め方や、提出された書面や資料の取扱について裁判所の裁量の幅が大きいものでした。

 このことは、柔軟な調停の進め方がしやすいというメリットがある反面、当事者とすればルールがよく分からず進み方の予測が立ちにくいというデメリットがある、という声もありました。
 

 そのような中で、ルールを明確化し、利用しやすい手続になることを目指して、法改正がなされたというわけです。

 改正された主な点は
① 調停・審判手続に出された(当事者が出した)記録の閲覧について、ルールが明確化されました(家事事件手続法47条)。

 これによると、調停・審判手続に出された記録は原則として、相手方も閲覧が可能になっています。(ただし、例外として、プライバシーに配慮すべき場合には閲覧が認められないことがあります。)

② 当事者が主張をしたり証拠を出したりすることについて期限を定めること(家事事件手続法71条)や、審判の日を明確に定めること(同法72条)がルール化されました。

③ また、電話会議・テレビ会議システムの導入(同法54条)により、より便利に手続が進められるように配慮されています。
  

  基本的には、利用者にとって便利な制度になることが意図されており、そのような効果が期待できます。
  

 ただ、新法にあわせて書式等が整備され、(離婚や遺産分割など)事件類型毎に、申立段階である程度細かい事実まで書式にあわせて記入し提出することが求められることが多くなっています。

 特に弁護士を付けずに本人で申し立てる場合などは、裁判所の要求する書類への記入等に戸惑う方や苦労する方が現れることも予想されます。

 調停手続は、訴訟手続とは違い、必ずしも弁護士をつけなくても当事者本人が手続をすることが想定されていますので、可能であれば、本人でしていただくことで問題ありません。

 ただ、上記のような書類の準備等に苦労される場合は、弁護士の助言を得たり(法律相談)、また、調停の内容が複雑担ってきた場合は弁護士に事件を委任する、ということが役に立つ場合があります。

 いずれにせよ、新しい法を良い方向に運用して、家事調停・審判が当事者の方々の明日をより良くする基礎づくりとして上手く機能するようになるよう、私たちなりの立場で力を尽くしていきたいと考えています。

                                 弁護士 村上英樹