相続について Q4

Q.昨年、父が亡くなりました。私は3人兄弟の末っ子ですが、父は、長兄に単独で相続させる遺言を残していたことが分かりました。 遺留分を主張したいのですが、遺留分減殺請求権には1年間の時効があると聞きました。時効になって遺留分を主張できなくなるのを防ぐにはどうすればよいのでしょうか。 例えば、父の死後1年以内に裁判を起こさなければならないのでしょうか。

 

A.

 遺留分の減殺請求権は,遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈のあったことを知った時から1年間にこれを行使しないとき,又は相続開始の時から10年を経過したときは,時効によって消滅します(民法1042条)。  

 ですから、そのような遺言があることを知った時から1年間経過すれば、遺留分減殺請求権は時効により消滅してしまいます。つまり、遺留分を主張しても、相手から時効を理由に拒まれてしまうことが考えられます。  

 では、時効期間内(ここでいう1年以内)に何をしなければならないのでしょうか。  

 遺留分減殺の方法は、訴えによる必要はなく、ともかく遺留分減殺の意思表示をすればよいことになっています。  

 意思表示といえば、口頭でも文書でも意思表示にあたります。ただし、この場合、期間内に意思表示をしたことが証拠として残ることが重要ですから、文書、それも内容証明郵便(配達証明付)で行うべきです。  

 必ずしも弁護士がついていなくても、本人で、文書を作成し相手に差し出せば、遺留分減殺請求になり、時効消滅を防ぐことは可能です。  

 ただ、通常は、どのような文書内容にすればよいのか、遺留分減殺請求とは具体的にどのような内容を書けばいいのか、どこまで詳しく書けばいいのか、という点には悩むことが多いと思われます。  

 そのような場合には、弁護士に相談して文章を確定するか、あるいは、弁護士に依頼して遺留分減殺請求をすることをお勧めします。

 なお、2019年7月1日からは改正民法が適用され、遺留分減殺請求は、遺留分侵害額の請求へ変わります。現行法の遺留分減殺請求では、現物の返還が原則でした。そのため、遺産に不動産が含まれる場合、持分の返還を求めることしかできず、不動産が共有状態になってしまうという問題がありました。改正法の遺留分侵害額の請求では、遺留分に相当する額を金銭で支払うと定められており、この問題は解決されます。