スタッフのコラム

まわりまわって (弁護士安藤秀昌)

ある日の病院の待合室での出来事です。

自分の順番が来るのを待っていたとき,私は待合席(ソファー)のすき間に1万円札が落ちているのを発見しました。そのような大金の落とし物を見つけたのは初めてだったので,とても驚きましたが,すぐに病院の受付に届けました。

 

翌日,別の病院にタクシーで行った際の出来事です。

私は,タクシーの座席のすき間に定期入れを忘れて降りてしまいました。私自身は,そのことに全く気が付いていなかったのですが,忘れ物に気付いたタクシーの運転手の方が,けっこう時間がたっていたにもかかわらず,病院の待合室で順番を待っていた私のところまで,わざわざ届けてくださいました。私はとても感激しました。

 

両日の2つの出来事は何の関連もないわけですが,ふと思いました。

前日に1万円の落とし物を届けたこと自体は,いわば当たり前のことではあるわけですが,当たり前の正しいことをしていれば,いつか別の場面で良い形で返ってくるのだなと。

別に見返りを期待して良いことをしようというわけではありませんが,思いもよらぬところで他人様の善意に触れると思いのほか感激しますし,自分自身の普段の行いを振り返る良い機会にもなります。

 

たとえば,私は,電車等で混雑している場面では,できるだけ席を必要としていると思われる方に席を譲るよう心がけています。もちろん,「ありがとう」と言っていただけると,心地よい気分にもなりますが,それよりも,いつかどこかで田舎の両親が,同じような場面で他人様から席を譲ってもらうことがあるかもしれません。そのような場面を想像して,私の両親に親切にしてくださった方に「ありがとうございます」という気持ちを持って,目の前の人に席を譲るよう心がけていきたいと,より一層思いました。

 

まわりまわってありがとうの気持ちを大事にしていきたいと思います。

 

えらそうなことを言うつもりはありませんが,皆がひとに優しい世の中であったらいいなと思います。

                                     

                                     (弁護士 安藤秀昌)